ゴマの基礎知識

ゴマは世界におよそ3000種あります。私たちが普段使うゴマは種子の外皮の色によって、大きく3種類に分けられます。 最も一般的な白、ゴマ塩などに良く使われる黒、そして褐色をおびた金です。 しかし、黒と言ってもビロードのようなものからネズミ色に近いものまであるので、細かく分ければ世界におよそ3000種もあると言われています。 粒の大きさは産地や品種によって異なり粒の大きさやそろい具合、色が均一かどうかで、いりゴマなどの食品用、あるいはゴマ油の搾油用に使い分けることが多いです。 ゴマのふるさとはすでに、何回も書いていますように、アフリカです。もともとの野生種は黒だったようで、野生種が世界に広がり、突然変異や品種改良を重ね、現在の品種数になりました。 栽培されている割合では、圧倒的に多いのが白ゴマです。欧米で流通しているゴマは主に白ゴマです。一方、アジアでは黒ゴマも多く、日本でも、特に関東では黒ゴマが好まれる傾向になります。 そして、3種のなかでは金ゴマが最も希少性が高いと言われています。


色が違えば見た目の印象もずいぶん変わってきます。それなら、成分にも差があるのかと思えば、実は含まれる栄養素や成分に大きな違いはありません。 しいていえば、白ゴマや金ゴマに比べて、黒ゴマは脂質がやや少な目のものが多いようです。一方、味や香りにはやや違いがあります。 一般的に黒ゴマは、香りは強いものの食べたときの後味が軽く、白ゴマは香りよりも甘みに特徴があると言われています。 金ゴマは香りがとても豊かで、甘みもあり、風味も楽しめます。栄養から見れば、白、黒、金とも大きな差はないため食べるうえで気にすることはありません。 使うゴマを選ぶときには、味、香り、そして料理の見栄えを考えればよいです。

ゴマ輸入大国日本

かつて、ゴマは日本でも広く栽培されていました。しかし、収穫に手間がかかることや、採算を取ることがなかなか難しいことなどから、多くの農家が栽培をやめてしまいました。 現在もゴマを作っている農家はあるものの、その数は少なくなってしまっています。私たちが店頭で見かけるゴマの実に99%以上は、海外から輸入されています。 2007年の統計によると、日本が輸入するゴマの量は年間およそ17万トンです。世界最大級のゴマ輸入大国なのです。
輸入段階では雑草の種などが混ざっていることもありますが、日本の製造業者の精選技術は非常に高く、だから私たちは、店頭に並ぶゴマを安心して調理に使うことができるのです。 そこで、日常で重要になるのは、信頼できるメーカーのものを買うこと、商品管理のきちんとした回転のよい店で買うことです。 これらのことさえ気をつければ、選び方にさほど神経質になる必要はありません。